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オタ話全開と親バカ日記 たまにSSも載せてみたり

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まずは、1月14日までのコメントお礼は下の記事にさせて頂きました。

このカテゴリーに記事を投稿した前回が2009年11月。
……わぉっ。 2年以上ぶりだww

これからはたまーに私の大好き本をご紹介させて下さいませ。

第二弾の本。
今回は、(お名前出しちゃいますが)以前にまるちゃさんに頂いたコメントの中にあったお言葉で、この本を思い出し、すごーく懐かしくなったのでご紹介させて頂きたくなりました^^

「文車日記(ふぐるまにっき) -私の古典散歩ー」
著者 田辺聖子   新潮文庫


それでは畳んだ先からご紹介
というか、勝手に愛を叫びます^^
この本は、小説ではなくいわゆるエッセーです。
初版はとっても古くて、昭和53年。
初めて私がこの本を読んだのは高校生の頃、通学のための電車の中でした。

当時、中学高校と私立の女子校に通っていた通学時間は片道1時間30分。
登校の電車はいわゆるラッシュタイムで、とても読書なんかするスペースはありませんでした。
(朝の総武線のラッシュ模様はしばしばテレビでも取り上げられてましたww 乗車率200%! あの、駅員さんが乗客の背中をぎゅうぎゅうと押しながら、無理やりドアを閉めるというのは、本当にあった事です。……今もあるのかな?)
けれども下校の電車はいつも空いていて、余裕で座る事ができたんですね。
しかも新宿ー亀戸間は約30分。読書をするにももってこいの所要時間でした。
なので、この時間帯にたくさんの本を読みました。 コバルトシリーズのライトノベルはもちろんのこと、「風と共に去りぬ」や「ジェーン・エア」「嵐が丘」。
渋いところで山岡荘八の「織田信長」「徳川家康」などなど。
コミックもそっと鞄に忍ばせ「あさきゆめみし」や「王家の紋章」「ガラスの仮面」。
私の本好き、古典好きをこの時間が育ててくれたようなものです。

それはさておき(笑)
この「文車日記」は、確か学校の図書室で借りて読んだのが始まりだったような。
歴女とまではいかないまでも、日本の歴史は好きでしたし、田辺聖子先生の「新訳 源氏物語」をとても面白く読んでいたので、ごく自然に手に取った記憶があるのですが、電車の車内で読み始めたこのエッセイ。
あっという間に引き込まれて行きました。
この本、物語のみでなく、和歌、随筆、日記、逸話や落語、歴史人物など、田辺先生の「好き」を集めて語ってくれたもので、先生の話術(と言わせて下さいww)に魅了され、読んでいる私も、その歴史の目の前にたっている錯覚すら覚えたものです。

どのお話も大好きなのですが、その中でもとりわけ(今でいう)『萌え』だったのをいくつかご紹介しますと。
少女と物語(更級日記)
あね・おとうと(大津皇子と大伯皇女)
年上の女(和泉式部)
わが愛の磐之媛(萬葉集)
ふれふれこゆき(讃岐典侍日記)

本当はもっともっとピックアップしたいところなのですが、そうなるとほぼ全てとなってしまうので、断腸の思いでこの5つに!
「あね・おとうと」の大津皇子と大伯皇女はコミックの影響で、もともと興味はありましたが、和泉式部の奔放なようで純粋な生き方に刺激を受けたものです。
「わが愛の磐之媛」で萬葉集のみでなく古事記にも興味を持ち(古事記を読んだのは他の本の影響もあったのですが、それはまたいずれ)、讃岐典侍日記を現代語訳と照らし合わせながら読んだのも、この「文車日記」があればこそ、でした。

そしてその中で今回ご紹介したいのが「更級日記」
先日、頂いたコメントに「(小説などの)先が知りたくて眠るのも惜しくて、布団に懐中電灯とか持ち込んで読んだり」というものがありまして。
まったくもって同感!というのと同時に、ああ、こういうの更級日記にも書かれていたなーと、とても懐かしくなったんです。
「更級日記」というのは菅原道真の5代孫にあたる女性が13歳から51歳になるまでつけていた日記です。
父親の任官に伴っていた上総の国から京へと戻った更級ちゃん(仮にこう呼ばせて頂きますw)。
彼女のおばさんが更級ちゃんへのお土産に物語をくれるのです。
「何かお土産をあげるわ。実用的なものはつまらないわよね。欲しいと思っているのをあげましょうね」と^^
そしてくれたのが「源氏物語50余巻」の他にいくつかの物語。
これ、すごい事なんですよねー。だって印刷技術なんてなかった当時ですから、全部写本でしょう?
しかも、当時女性たちが熱狂して読んでいた「源氏物語全巻」全巻ですよ!
そりゃもう、更科ちゃんは狂喜乱舞!
「得て帰る心地のうれしさぞ、いみじきや。はしる、はしる、わづかに見つつ、心も得ず心もとなく思う源氏を、一の巻よりして、人もまじらず、几帳の中にうちふして引き出でつつ見る心地、后の位も何かはせむ。昼は日ぐらし、夜は目のさめたる限り、火を近くともして、これを見るよりほかのことなければ……」
(おばさんから物語をもらって帰る時の心境といったら、狂喜だった!すっごく! 帰りの牛車の中でちょっとだけ見ただけでも、心を奪われちゃう源氏物語。屋敷に帰って几帳の中で一巻から出して、一人きりで読んでいる時なんか、お后様の位なんて目じゃないくらい。 昼は全部、夜だって起きているうちはずっと。暗くなれば火を近くに持ってきて読むふけるの。そうせずにはいられないんだもん)
……すみませんww
かなり強引かつ間違ったリナコ訳ですww
この部分、千年以上前の13歳の少女に、21世紀に生きるおばさんである私が、まさに拳握りつつ同感を叫んじゃうんですよ(笑)
私も休日の家事を終えた時間のほとんどは読書だし(今はヒストリカルロマンス中心ですが)
夜もお布団にもぐり込んだら、時計とにらめっこをしながら読み続けています。
朝の早いお仕事なので、睡眠時間に気をつけないとあっと今に睡眠不足にw
眠い目をこすりながらも「あと、1時間……いや、30分は読める」と計算しつつ、でも読まずにはいられない。
休日の前の夜は、携帯小説の方を目一杯ww
それこそ明かりを消した寝室、大の字になって寝ている夫の横で、掛け布団を頭からかぶって携帯を開き、読むんです。そう、やめられないのww
そしてその話の展開に、ある時は本を、またある時は携帯を胸に抱え、身を震わせながらキュンキュンしたりね。で、勝手にその続きを妄想してはまたキュンキュンww
きっと更科ちゃんも光源氏と藤壺中宮の許されざる恋の話にキュンキュンして、紫の上と自分を重ねては夢見心地になったりしたんでしょうねー。

こんな風に千年たっても変わらない乙女心をいくつも紹介してくれる、素敵な一冊です。
日本史という堅いものではなく、千年、何百年も昔の人達の息使いを感じようという方にはオススメします^^

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誕生日:
2022/01/15
自己紹介:
FF10と金色のコルダ、図書館戦争にはまりまくりのオタ母です

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